海外FXコラム 【実践】FXのピボットとは|短期トレードに役立つ戦略の立て方を解説

【実践】FXのピボットとは|短期トレードに役立つ戦略の立て方を解説

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FXに用いられるテクニカル指標には数多くの種類がありますが、その中に「ピボット」というツールがあります。

ピボットは日本においてあまりメジャーではないため、ピボットについて聞いたことがない方や、ピボットを使ったことがない方も多いでしょう。

そのため、

「ピボットってなに?どうやって使うの?」
「ピボットって、本当に信用できる指標なの?」

と、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

ピボットとは、前日の終値・高値・安値をもとに相場の方向性を予測するテクニカル指標で、これを活用することで、下記のようなことが可能になります。

ピボットを使ってできること
  • 相場の方向性を予測する
  • 逆張りトレードの戦略を立てる
  • 順張りトレードの戦略を立てる

では、ピボットを使ってFXトレードをしたい場合、具体的にどのような使い方をすればいいのでしょうか。

また、ピボットを使ううえで、何か注意しなければならないことはあるのでしょうか。

この記事では、ピボットに関する下記のようなポイントについて、わかりやすく解説します。

ピボットを使ってできること
  • FXのピボットとは
  • FX取引におけるピボットの基本的な使い方
  • FXでピボットを活用するメリット
  • FXでピボットを活用する際の注意点
  • ピボットとの併用をおすすめするテクニカル指標
  • MT4、MT5にピボットを表示させる方法

あなたがこの記事を読み終える頃には、ピボットを使ってトレードの戦略を立てられるようになっているでしょう。

1. FXのピボットとは

「ピボット」は、相場の方向性を予測したり、売買のエントリーポイントを見極めたりする際に用いられるテクニカル指標です。

FXだけでなく株式市場や先物市場でも活用されており、海外では比較的メジャーなのですが、日本での知名度はあまり高くありません。

そのため、FXの経験はあってもピボットを使ったことはない、という方も少なくないでしょう。

そこでこの章ではまず、ピボットとはどういうものなのか、わかりやすく解説します。

1-1. ピボットとは?

「ピボット」とは、前日の① 高値、② 安値、③ 終値、という3つの価格をもとに、相場がどのような方向へ向かうのかを予想する、テクニカル指標のことをいいます。

この指標では、「PP(ピボットポイント)」と呼ばれるラインを中心に上下3本ずつ、計7本のラインが表示され、そのラインと価格の位置関係をもとに、相場の方向性を予想します。

相場の方向性が明確でない場合、「買い」と「売り」のいずれでエントリーをするべきか、あるいは取引を控えるべきか、決められないことも多いですよね。

ピボットは方向性のない相場において利益を出すことを目的につくられた指標ですので、これを活用することで相場の方向性を予想し、トレードの戦略を立てる際の一助とすることができます。

1-2. ピボットを構成する7本のライン

ピボットは、基軸となるピボットポイントを中心に、上下3本ずつ、計7本のラインで構成されます。

そして、これら7本のラインにはそれぞれ、下記のような意味があります。

▼ピボットを構成する7本のライン

ライン 概要
HBOP(ハイブレイクアウトポイント) ・上値支持線(レベル3)
予想外の大きな変動があれば、ここまで上がるかも…
R2(第2レジスタンスライン) ・上値支持線(レベル2)
前日より大きな変動があれば、この程度まで上がるかな…
R1(第1レジスタンスライン) ・上値支持線(レベル1)
前日と同程度の変動なら、この程度まで上がるかな…
PP(ピボットポイント) 中央に位置し、ピボットの基準値となるライン
・前日高値 、 前日安値 、 前日終値の平均値を表す
S1(第1サポートライン) ・下値支持線(レベル1)
前日と同程度の変動なら、この程度まで下がるかな…
S2(第2サポートライン) ・下値支持線(レベル2)
前日より大きな変動があれば、この程度まで下がるかな…
LBOP(ローブレイクアウトポイント) ・下値支持線(レベル3)
予想外の大きな変動があれば、ここまで上がるかも…

① PP(ピボットポイント)
7本のラインのうち、ちょうど真ん中にある線を「PP(ピボットポイント)」と呼びます(単純に「P」と表記される場合もあり)。

これは、前日高値・前日安値・前日終値、の平均値を表すもので、ピボットの基準値となるものです。

② R1・R2・HBOP
R1(第1レジスタンスライン)、R2(第2レジスタンスライン)、HBOP(ハイブレイクアウトポイント)の3つは、強度の違いこそあるものの、同じ「上値支持線」に分類されるラインです。

■R1(第1レジスタンスライン)
PP(ピボットポイント)のすぐ上にあるラインがR1(第1レジスタンスライン)です。

このラインは「上昇支持線」とも呼ばれるもので、「前日と同じくらいの変動があれば、このくらいまで値上がりするだろう」という目安を表します。

■R2(第2レジスタンスライン)
R1(第1レジスタンスライン)の上にあるのが、R2(第2レジスタンスライン)です。

これは、R1よりも強度の強い上昇支持線で、「前日よりも大きい変動があれば、このくらいまで値上がりするだろう」という目安を表します。

■HBOP(ハイブレイクアウトポイント)
ピボットの一番上にあるラインが、HBOP(ハイブレイクアウトポイント)です。

R2よりさらに強度の強い上昇支持線であることから、「R3(第3レジスタンスライン)」と表記されることもあります。

これは、「予想外に大きな変動があり、R2を超えていくならば、このくらいまで値上がりするだろう」という目安を表します。

③ S1・S2・LBOP
S1(第1サポートライン)、S2(第2サポートライン)、LBOP(ローブレイクアウトポイント)は、強度の違いこそあれ、同じ「下値支持線」に分類されるラインです。

■S1(第1サポートライン)
PP(ピボットポイント)のすぐ下にあるのが、S1(第1サポートライ)です。

これは、下降支持線とも呼ばれるもので、「前日と同じくらいの変動があれば、このくらいまで値下がりするだろう」という目安を表します。

■S2(第2サポートライン)
S1(第1サポートライン)のすぐ下にあるのが、S2(第2サポートライン)です。

これは、S1よりも強度の強い下降支持線で、「前日よりも大きい変動があれば、このくらいまで値下がりするだろう」という目安を表します。

■LBOP(ローブレイクアウトポイント)
ピボットの一番下にあるのが、LBOP(ローブレイクアウトポイント)です。

S2よりさらに強度の強い下降支持線であることから、「S3(第3サポートライン)」と表記されることもあります。

これは、「予想外に大きな変動があり、S2を超えていくならば、このくらいまで値下がりするだろう」という目安を表します。

2. FX取引におけるピボットの基本的な使い方

7本のラインで構成される、ピボット。
では、FX取引においてピボットを活用する場合、これらのラインをどのように使えばいいのでしょうか。

この章では、FX取引におけるピボットの基本的な使い方について、ご紹介します。

2-1. PP(ピボットポイント)から相場の方向性を予測する

初めてピボットを使う方にまず覚えていただきたいのが、「PP(ピボットポイント)から相場の方向性を予測する」方法です。

ピボットは7本のラインで構成されていますが、いきなりこれら全てを使いこなすのは、ハードルが高いですよね。

そこでまずは、ピボットの中心線である「PP(ピボットポイント)」と「価格」の2つに注目してみましょう。

考え方はとてもシンプルで、PPと価格の位置関係に着目し、価格がPPの上にあるのか下にあるのか、確認します。

価格がピボットポイントの上にある場合、相場は「上昇傾向」、つまり、トレンドは「買いが優勢である」と判断します。

反対に、価格がピボットポイントの下にある場合、相場は「下落傾向」、つまり、トレンドは「売りが優勢である」と判断します。

それではこの知識を活かして、実際にトレードの戦略を立ててみましょう。

【実践】PPと価格の位置関係をもとに順張りトレードの戦略を考えてみよう!

今回は、PP(ピボットポイント)と価格の位置関係をもとに、順張りトレードの戦略を考えてみたいと思います。

上図におけるPP(ピボットポイント)と価格の位置関係を見ると、価格がPPよりも上にあります。

つまり現在の相場は「上昇傾向」、「買い優勢」であると予測されます。

順張りではトレンドに乗った投資スタイルをとりますので、こういった状況では「買いポジション」でエントリーします。

あとは、価格がさらに上昇したタイミングで決済し、利確すればOKです。

用語解説:順張りとは?
順張りとは、「トレンドに乗っていく」投資スタイルのことをいいます。
相場が上昇傾向で買い優勢のときには「買い」、下降傾向で売り優勢のときには「売り」ポジションでエントリーします。

ちなみに、今回実践した「PPと価格の位置関係から順張りトレードの戦略を立てる」場合の基本的な考え方は、下記の通りです。

これは、ピボットの中心線と価格のみに注目したとてもシンプルな考え方ですので、FX初心者の方もぜひ活用してみてくださいね!

2-2. R1・R2・S1・S2から逆張りトレードの戦略を立てる

ピボットは、逆張りトレードの戦略を立てる際に活用することもできます。

逆張りトレードの戦略を立てるにあたって使うのは、PP(ピボットポイント)の上下にある4本のラインです。

用語解説:逆張りとは?
「逆張り」とは、トレンドに逆らって動く投資スタンスのことをいいます。
相場が下落傾向にある(売り優勢)のときに「買い」ポジションで、上昇傾向にある(買い優勢)のときには「売り」ポジションでエントリーします。

PP(ピボットポイント)の上下にある4本のライン(R1・R2・S1・S2)にはそれぞれ、下記のような意味があります。

R2(第2レジスタンスライン) ・上値支持線(レベル2)
前日より大きな変動があれば、この程度まで上がるかな…
R1(第1レジスタンスライン) ・上値支持線(レベル1)
前日と同程度の変動なら、この程度まで上がるかな…
S1(第1サポートライン) ・下値支持線(レベル1)
前日と同程度の変動なら、この程度まで下がるかな…
S2(第2サポートライン) ・下値支持線(レベル2)
前日より大きな変動があれば、この程度まで下がるかな…

R1・R2には、レジスタンスライン(これ以上は上がらないだろうというライン)としての、S1・S2にはサポートライン(これ以上は下落しないだろうというライン)としての役割があります。

そのため、これら4本のラインと価格の動きを見れば、逆張りトレードの戦略を立てることができます。

今回は、この4本のラインを使って戦略を立てますので、改めて、これらの意味をご説明しました。

それでは次に、ピボットを使って逆張りトレードの戦略を立てる方法について、見ていきましょう。

■逆張りトレードの戦略を立てる際の基本的な考え方

ピボットの使い方について覚える前に、まずは、逆張りトレードの戦略を立てる際の基本的な考え方について、おさらいしておきましょう。

至極当然の論理ですが、FXで勝つには、「安く買って、高く売る」「高く売って、安く買う」必要があります。

逆張りトレードをする際は、この論理を基軸に、下記のような流れで戦略を考えます。

  • ① まずは、相場の動きを予測する
  • ② 相場が上昇傾向ならば、その後の値下がりを期待して「売り注文」を、相場が下落傾向ならば、その後の値上がりを期待して「買い注文」をエントリー。
  • ③ 価格がS1・S2・R1・R2のうち、どのラインに到達したら決済するのか考え、利確。

■ ピボットを使って逆張りトレードの戦略を立てる際の考え方

それでは、上記の考え方をもとに、ピボットを使って逆張りトレードの戦略を立ててみましょう。

例えば、相場が下記のような動きをしている場合・・・

① 相場の方向性を予測
価格が「R1」に到達した時点で、「現在の相場は上昇傾向だが、これ以上は値上がりしないだろう」と予測します。

② 逆張り
今後、価格が値下がりすると予測して、「売り」ポジションでエントリーします(逆張り)。

③ 利確
最後に問題になるのが、利確のタイミングです。

今回は、価格が「S1」に到達した時点で、「これ以上相場が下落することはないだろう」と予測し、保有していた売りポジションを決済(=利確)します。

このトレードにより投資家は、「高く売ったポジションを安く買い(決済)」、利益を得られたことになります。

以上が、ピボットを活用して逆張りトレードの戦略を立てる際の基本的な考え方で、これをパターン別にまとめると、下記のようになります。

2-1. PP(ピボットポイント)から相場の方向性を予測する」でご紹介した、PPのみを使って戦略を立てる場合に比べると、やや複雑に感じるかもしれません。

ただ、基本的な考え方はシンプルで、要するに、「安く買って高く売る」か「高く売って安く買え」ばOKです。

それでは、上記の理論を用いて、実際にトレードの戦略をいくつか立ててみましょう。

【実践1】S1・R1と価格の動きに注目して逆張りの戦略を立てる

FXの価格は基本的に、S1~R1の間で動くと考えられています。

そこでまずは、S1(第1サポートライン)とR1(第1レジスタンスライン)の2本と価格の動きをもとに、逆張りの戦略を立ててみましょう。

逆張りの基本ルールは、「下げ相場で買い、上げ相場で利確(安く買って、高く売る)」です。

そこでまずは、価格がS1に到達した時点で「買い」ポジションのエントリーをし、逆張りをしましょう。

あとは、価格がR1に到達するまで待ちます。

R1は第1レジスタンスラインで「前日と同じ位の変動ならばこのくらいまで上がるだろう」というラインですので、ここまで耐えて、利確します。

これは、「S1で買い、R1で利確」というとてもシンプルな戦略ですが、着実に利益を積み重ねたい方にはぜひおすすめしたい手法です。

【実践2】価格がS1・R1を突破したときの戦略を立てる

相場が前日よりも大きく変動した場合、S1ラインやR1ラインを突破してS2・R2まで到達することがあります。

ただ、この場合も基本的な考え方は同じです。

上図のように価格がS1を突き抜けS2まで下がった場合、後に反発して価格が上昇することを期待して、「買い」注文で逆張りします。

あとは、価格が上がるのを待って利確するのですが、このとき、下記3つの選択肢があります。

① 価格がPPに到達したら利確
② 価格がR1に到達したら利確
③ 価格がR2に到達したら利確

金額は少なくてもトレード回数を重ねて利益を着実に増やしていきたいならば、「① 価格がPPに到達したら利確」というのもありでしょう。

ただ、相場はS1~R1の間で変動する、というのがピボットの基本的な考え方ですので、こういった場面では「② 価格がR1に到達したら利確」する、という戦略をおすすめします

もちろん、「③ 価格がR2に到達したら利確」というのも選択肢のひとつではありますが、価格がS2に到達したからといって、その後、R2まで反発するとは限りません。

この戦略をとる場合は、予め損切りポイントを設定しておくなど、十分なリスクヘッジをしておきましょう。

以上のように、S1・S2・R1・R2という4本のラインを使えば、複数パターンの戦略を考えることができます。

2-3. HBOP、LBOPに達したら順張りで

価格が、HBOPもしくはLBOPを突き抜けた場合、「トレンドモードに入った」と考え、順張りでエントリーするのが基本です。

HOBPとはピボットの一番上にあるライン、LBOPとはピボットの一番下にあるラインのことで、それぞれ、下記のような意味があります。

HBOP(ハイブレイクアウトポイント) ・上値支持線(レベル3)
予想外の大きな変動があれば、ここまで上がるかも…
LBOP(ローブレイクアウトポイント) ・下値支持線(レベル3)
予想外の大きな変動があれば、ここまで上がるかも…

よほどのことがない限り、価格がHBOPやLBOPを突き抜けることはありません。

よって、価格がここまで到達した場合、「既にトレンドが発生している」と考えます

そしてこういったケースでは、下記のような考え方で、「順張り」トレードをするのが基本です。

それでは、この考え方をもとに、トレードの戦略を立ててみましょう。

【実践】価格がHBOPに到達した場合の戦略を立てる

上のケースでは、価格がHBOPを突き抜けており、上昇トレンドが発生していると予測されます。

このような場合、相場がトレンド方向(上昇方向)へさらに大きく動くと考え、買い注文でエントリーしましょう(=順張り)。

あとは、価格がさらに上昇したタイミングで利確(決済)すればOKです。

以上のようにピボットを上図に活用すれば、相場の方向性を予測したり、逆張りトレードや順張りトレードの戦略を立てたりすることができます。

「7本のライン」というとかなり複雑なようにも思えますが、基本的な考え方はとてもシンプルですので、ぜひ活用してみてくださいね。

3. FXでピボットを活用するメリット

ピボットには、トレンドを予測したり、トレードの戦略を立てたりできること以外にも、下記のようなメリットがあります。

FXでピボットを活用することには具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

3-1. 論理がシンプルで初心者でも使いやすい

ピボットには、論理がシンプルで初心者でも使いこなしやすい、というメリットがあります。

1-2. ピボットを構成する7本のライン」でご紹介したように、ピボットは7本のラインで構成されています。

そのため初見の方にとっては、かなり複雑なテクニカル指標に思えるかもしれません。

しかし、7本のラインは、

① 平均値を示す中心線のPP
② 上値支持線としての上3本のライン
③ 下値支持線としての下3本

という3種類に大別されるシンプルな構成になっていますし、その意味さえ理解できれば、FX初心者の方でも簡単に使いこなせます。

また、7本のラインすべてを使いこなすのが難しいという場合は、「2-1. PP(ピボットポイント)から相場の方向性を予測する」でご紹介したように、中心線であるPPと価格の位置関係のみに着目し、相場の方向性を予測して順張りの戦略を立てることも可能です。

ピボットの扱いに慣れてきたら、逆張りトレードの戦略を立てる際にも活用できますが、その基本的な考え方は「価格がS1・S2に到達したら買い、R1・R2に到達したら売り」という、とてもシンプルなものです。

FXに用いられるテクニカル指標には数多くの指標がありますが、その中でもピボットは、初心者にも使いこなしやすい指標であると言えます。

これまでテクニカル指標を使ったことがない方は、ピボットから使い始めてみてはいかがでしょうか。

3-2. ラインにばらつきがないため信頼性が高い

ピボットの表示は世界共通で、ラインがぶれることがありません。

そのため信頼性が高く、FX初心者の方でも安心して利用することができます

1-2. ピボットを構成する7本のライン」で解説したように、ピボットで表示される7本のラインは、前日の終値・高値・安値の3つをベースに算出されます。

他のテクニカル指標のように数値設定や期間設定をする必要はありませんし、時間足によって表示が変わることもありません。

FXを始めたばかりの方から機関投資家まで、世界中の誰が見ても、同じラインが表示されるのです。

世の中には多くのテクニカル指標があるため、FX初心者の中には「何を信じればいいのかわからない」という方も多いでしょう。

そういった場合は、誰が見ても同じラインが表示される、ピボットから使い始めてみてはいかがでしょうか。

ピボットなら世界中の投資家が同じラインを見ているため、他のテクニカル指標に比べ、情報収集もしやすいかと思います。

4. FXでピボットを活用する際の注意点

相場を予想したり、トレードの戦略を立てたりする際に便利なピボットですが、これを使う際は、下記のような点に注意しなければなりません。

「有益な指標であるはずのピボットを使ったことが原因で、思わぬ損失を被ってしまった」、といった事態に陥らないためにも、ピボットを使う際はどのような点に注意すべきなのか、詳しく見ていきましょう。

4-1. ピボットは長期的な相場分析には向かない指標

ピボットは短期トレードに適したテクニカル指標で、長期的な相場分析には向きません。

上述のようにピボットは、「前日の値」をもとに、「当日の値動き」を予想するためのものです。

そのため、ピボットの値が有効なのはあくまでも当日限りで、次の日にはリセットされてしまいます。

ピボットを活用する際は、「この値はあくまでも当日に限り有効なテクニカル指標であり、長期的な相場分析には使えない」という点に注意しましょう。

4-2. ピボットだけに執着せず全体のトレンドも意識する

ピボットを使う際は、これだけに執着して、全体のトレンドを無視しないよう注意しましょう。

ピボットは下記6種類の時間足で表示できますが、ピボットだけに執着していると、「表示中の時間足」でしかトレンドを予測できなくなってしまう恐れがあります。

・ 1分足
・ 5分足
・ 15分足
・ 30分足
・ 1時間足
・ 4時間足 

下記は、ピボットを1分足と4時間足で表示したものです。

1分足では下降トレンドのように見えますが、4時間足でみると、全体的に上昇トレンドであることがわかります。

例えば、1分足でのみピボットをチェックしていると、「1分足では下降しているけれど4時間足では上昇している」という状況を見逃し、トレードの判断を誤ってしまう可能性があります。

トレードの戦略を立てる際は、表示されているピボットに執着しすぎず、全体のトレンドもしっかり意識するようにしましょう。

ピボットはあくまでも、「判断材料のひとつ」として活用することが大切です。

4-3. FX初心者はPP(ピボットポイント)の上での購入をなるべく回避

FX初心者の方がトレードをする場合、価格がPP(ピボットポイント)より上にあるタイミングでの買い注文は、回避することをおすすめします。

ピボットの中心線であるPP(ピボットポイント)は、前日の値動きの平均値をあらわすものです。

したがって、「価格がPPの上にあるタイミングで買い注文をする」ということは、「前日値の平均値よりも高く購入すること」に他なりません。

FXで勝つためには当然、「安く買って、高く売る」必要があります。

つまり、買い注文のエントリーは、なるべく安い地点で入れた方が、トレードに勝ちやすくなるのです。

もちろん、トレードに慣れてきてトレンドをしっかり予測できるようになれば、上昇トレンドに乗ってPP上で買い注文をし、さらに価格が上がった段階で利確をするのもひとつの戦法です。

ただ、これからFXを始める方やFXの経験が浅い方に関しては、トレードに負けるリスクを減らすためにも、「価格がPPの下にある時に買い注文を入れる」ことをおすすめします

4-4. ライン同士の「幅」にも注意!

ピボットを使う際は、ラインと価格の位置関係だけでなく、「ライン同士の幅」にも注意が必要です。

ピボットを構成する7本のライン同士の距離は、値動きが小さくなればなるほど、狭くなります。

「値動きが小さい」と「相場が沈静化している」、と考えがちですが、実は、「激しい値動きへのエネルギーを溜めこんでいる」という可能性もあります。

つまり、ピボットのライン同士の幅が狭い時は、「まもなく新しいトレンドが発生する予兆である」かもしれないのです。

こういった状況下で安易にポジションを抱えておくのは、かなり危険です。

「相場が沈静化している」と早合点して無計画なエントリーをしないようにするのはもちろん、既にポジションを抱えている場合は早めに決済しておくのも選択肢の一つでしょう。

5. ピボットとの併用をおすすめするテクニカル指標3つ

ピボットは、他のテクニカル指標と組み合わせて使うことをおすすめします。
他のテクニカル指標でピボットの弱点を補うことで、より精度の高いトレード戦略を立てられるからです。

そこでご紹介したいのが、下記3つの指標です。

ここでは、ピボットとこれら3つのテクニカル指標の併用をおすすめする意義について、わかりやすく解説します。

5-1. 移動平均線で長期的なトレンドを見極める

4-1. ピボットは長期的な相場分析には向かない指標」で解説したように、ピボットは短期トレードに適したテクニカル指標であり、長期的な相場分析には向きません。

そこで併用したいのが、移動平均線です。

■ 移動平均線とは?

移動平均線とは、一定期間の価格をもとに算出した平均値を、折れ線グラフにしたものです。

過去数日間~数週間の平均値を見れる移動平均線は価格の流れや長期的な相場の方向性を分析するツールとして適しており、MACDをはじめとする他のテクニカルチャートにも利用されています。

ピボットは、短期的な相場分析に適している反面、こればかりに固執していると、長期的なトレンドの方向性を見失いがちです。

この点、長期的なトレンドを分析するのに適した移動平均線を併用すれば、相場全体の流れを把握しつつ短期的な価格の動向を予測する、というように、より広い視野で精度の高いトレード戦略を立てられるでしょう。

5-2.  フィボナッチ・リトレースメント

ピボットだけでエントリーポイントの判断をするのが不安な場合は、「フィボナッチ・リトレースメント」を併用することをおすすめします。

■ フィボナッチ・リトレースメントとは?

フィボナッチ・リトレースメントは、トレンドが発生している相場において、反発のポイントを見極める際に使うテクニカル指標です。

トレンドが発生している相場においても、常に価格が上昇・下降し続けるわけではありません。

一時的に、トレンドとは反対の方向へ価格が向かう(反発)、という現象を繰り返しながら、トレンドを形成します。

こういった状況において、どのくらいの価格に到達したら反発や反落が起こるのかを分析する際に活用できるのが、フィボナッチ・リトレースメントです。

■ ピボットとフィボナッチ・リトレースメントを併用してエントリーポイントを見極める!

ピボットを構成する7本のラインのうち、中心にあるPPを除いた6本のラインは、フィボナッチ・リトレースメントと同じ役割を果たすものです。

そのため、ピボットとフィボナッチ・リトレースメントを併用すれば、より強い根拠を持って、エントリーポイントを見極めることができます

例えば、上のチャートでは、ピボットのR1ラインとフィボナッチ・リトレースメントのラインがかなり近い位置でそろっています。

こういった場合には「反発が生まれる可能性が高い」と判断し、より強い根拠のもと、エントリーポイントを決められるでしょう。

ピボットとフィボナッチ・リトレースメントは、エントリーポイントを決める際の根拠を相互補強する関係にあります。

逆張りトレードをする際は特に、これら2つの指標を併用することをおすすめします。

5-3.  MACDを併用して相場が切り替わるタイミングを見極める

ピボットは、トレンド相場(価格が一方向に向かう相場)とレンジ相場(一定幅で上下を繰り返す相場)、いずれの状況でも使える指標です。

ただ、ここで問題になるのが、相場が切り替わるタイミングの見極めです。

ピボットは1日限り有効な指標で、全体的な相場の状況を見落としやすいため、「後になって相場が切り替わったことに気付く」というケースも少なくありません。

そこで併用したいのが、MACDです。

■ MACDとは?

MADCは、移動平均線を応用したテクニカル指標で、MACDラインとシグナルラインの2本を使って、相場を読みます。

トレンド形成時には特に大きな威力を発揮し、そのラインの動きを読むことで、トレンドの発生についてはもちろん、一時的逆行の初動を掴むこともできます。

例えば、上のチャートでは、MACDラインがゼロラインの上にあり、さらに上向きの傾向になっています。

こういった状況では「トレンドが上昇中で、かつ、勢いがある」と判断できますので、その相場状況に適したエントリーを仕掛けます。

MACDには、「トレンドの勢いが出た後は精度が落ちる」というデメリットがあるのですが、その点についてはピボットを使うことで補えばOKです。

このようにピボットとMACDは、相互のウイークポイント補い合う関係にあります。

「ピボットだけでは相場の切り替わりを見極められないかもしれない」と不安に思われる方は、MACDを併用してみてはいかがでしょうか。

6. MT4/MT5にピボットを表示する方法

ピボットは、MT4およびMT5に、標準搭載されていません。

したがって、このテクニカル指標を使うには、インディケータをダウンロードして、画面上に表示させる必要があります。

MT4とMT5の基本的な操作方法はほとんど同じですので、ここでは、MT4の画面をもとに、ピボットを表示させる方法を解説したいと思います。

6-1. インジケーターをダウンロードする

ピボットはMT4・MT5に標準搭載されていませんので、ダウンロードする必要があります。

① まずは、ターミナル画面の「ライブラリ」タブをクリックし、「インディケータ」一覧を表示しましょう。

非常に多くのインディケータが表示されますが、「名前順」に並べ替えると、探しやすくなります。

② インディケータ一覧から、ピボットをダウンロードします。ピボットにはいくつかの種類がありますが、今回は、最もシンプルな「Pivot」というインディケータをダウンロードします。

ターミナル画面のライブラリにあるインディケータ一覧に表示された、「Pivot」の列にカーソルを合わせて、右クリックします。
すると、操作選択の画面がポップアップ表示されますので、「ダウンロード」をクリックしましょう。

これで、Pivotのダウンロードが完了しました。

6-2. 設定画面で「OK」をクリックしてピボットを表示

ダウンロードが完了したら、設定画面が表示されます。

「OK」をクリックすると、ピボットが表示されます。

以上で、ピボットの設定は完了です。

まとめ

ピボットは、前日の終値・高値・安値をもとに、相場の方向性を予測するテクニカル指標です。

表示される7本のラインにはそれぞれに意味があり、これらと価格の動きに着目することで、下記のようなことが可能になります。

ピボットを使ってできること
  • 相場の方向性を予測する
  • 逆張りトレードの戦略を立てる
  • 順張りトレードの戦略を立てる

ラインの意味さえ理解できれば、ピボットはFX初心者でも比較的簡単に使いこなせる指標です。

これまでテクニカル指標を使ったことがない方は、ピボットを活用して、トレードの戦略を立ててみてはいかがでしょうか。

ただし、ピボットを使う際は下記のような点に注意しましょう。

FXでピボットを使う際の注意点
  • 長期的な相場分析には向かない
  • ピボットだけに執着せず、全体のトレンドも意識する
  • FX初心者は、PPの上での買い注文をなるべく回避する
  • ライン同士の「幅」にも注意する

ピボットは、簡単な操作でMT4およびMT5に表示させることができます。

まずは、普段使っている取引きプラットフォームにピボットを表示させ、これがどのようなテクニカル指標なのか、実際に確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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