「XMで取引をしたけど確定申告をする必要はあるのかな」
「どうやって確定申告すればいいのだろう」
XMで一定の利益を上げた場合、必ず確定申告が必要になります。
ただし、申告書類はウェブで簡単に作ることができるため、初めての方もまったく心配する必要はありません。
確定申告は以下の5つのステップで誰でも簡単に終えることができます。
またXMの年間の利益が一定額以下であれば、確定申告をする必要がなくなる場合もあるため、まずは自分が確定申告をする必要があるかどうかを正しく判断する必要があります。
そこで今回は
- まず自分が確定申告をする必要があるかを確認する
- XMの確定申告5つのステップ
- 税金の計算方法
- XMの税金を節税する方法
について詳しく解説してきます。
この記事を読めばあなたも確定申告でXM利益を正しく申告することができますよ。
目次
1.まず自分が確定申告をする必要があるかを確認する
XMの取引で利益があった人の全てが確定申告をしなくてはいけないわけではありません。
確定申告をする必要があるかどうかは、一定の金額を上回る利益があったかどうかで決まります。
まずは下の表をつかって、自分が確定申告が必要かどうかを確認してみてください。
要約すると、以下の2つのどちらか当てはまる場合は確定申告をする必要があります。
- ①XMの利益を含む年間の利益が38万円以上力
- ②給与所得者としての収入があり、かつXMの年間の利益を含む雑所得が20万円以上
例えば個人事業主の方など事業収入がある場合は、全ての収入の合算が38万円以上ある場合は確定申告が必要になります。
また給与所得のある会社員で、XMの利益の他にも収入がある場合は注意する必要があります。
XMの利益は確定申告では雑所得という項目に振り分けることになりますが、例えばアフィリエイトで得た収入やオークションで得た収益などもこの雑所得に入ります。
このため、XMの利益が20万円以下であっても、その他の収入との合算で雑所得が20万円を超えれば確定申告の義務が発生することになります。
もしXMの年間損益がわからないという方は「4.【ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード」で解説する手順で損益額を確認してください。
確定申告が必要であることが判明した方は2章に進んでください。次章からは確定申告の方法をわかりやすく解説します。
2.XMの確定申告5つのステップ全体像
XMの確定申告は以下の5つのステップで簡単に行うことができます。
ステップ1の書類の準備では、必要書類を各所から集める必要がありますが、それ以降のステップはパソコンとプリンタが使用できれば作業に戸惑うことはありません。
3.【XMの確定申告ステップ1】必要な書類を準備する
申告書の作成はウェブで簡単に行うことができますが、まずは申告に必要な書類を準備しましょう。
確定申告に必要な書類は以下の3種類です。
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 生命保険や社会保険料の控除証明書
- 経費の領収書
一つずつ確認します。
①源泉徴収票(給与所得者の場合)
源泉徴収票とは、会社が発行するその年の会社からの給与や天引きされた社会保険料や税金を記載した書類です。給与金額や納税額の他に、配偶者控除や扶養控除・生命保険などの保険控除などが記載されています。
通常では12月までの給与が確定し年末調整が終わったタイミング(12月〜1月)で会社から交付されます。会社から交付されたら確定申告まで大切に保管しておきましょう。
②生命保険や社会保険料のなど控除証明書
国民年金を支払っている場合は、10月〜11月に控除証明書が送られてきます。また生命保険などに加入している場合も、各保険会社から控除証明書が送られてきます。
これらの控除証明書によって一定の税額を控除することができます。
③経費の領収書
XMの利益を確定申告で申告する場合、同時にXMの取引で使った必要経費を経費として計上することができます。経費として計上した金額はもちろん利益から差し引かれ、残った金額にのみ課税されることになります。
全ての領収書を揃えたら、領収書の金額を合算し、経費の合計を算出しておきましょう。
領収書は確定申告の後も5年間の保管が義務付けられているので、処分してはいけません。どのような費用を経費として計上できるかについては「10.XMの税金を節税する方法」でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
4.【XMの確定申告ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード
次にXMの取引履歴をダウンロードします。
まずXMの取引プラットフォームの画面を開き、画面上部の「表示」タブから「ターミナル」を選択してターミナルを表示させてください。
次にターミナルの下部にある「口座履歴」タブを開き、右クリックで「期間のカスタム設定」を選択します。
期間のカスタム設定画面が表示されたら「開始」と「終了」に確定申告の年度の1/1〜12/31までの日付を入力します。例えば2020年度分の確定申告を行う場合は「開始」に2020.01.01、「終了」2020.12.31 と入力してください。
入力が終了したら「OK」を押してください。
元の画面に戻ると、対象期間の取引履歴一覧が表示されている状態になります。ここで再度右クリックを行い、「レポートの保存」を選択してください。画面の指示に従ってPC上にHTMLファイル形式で保存します。
ファイルを開き「Closed P/L」の金額を確認してください。この金額がXMの取引における年間確定損益を示します。
ファイルの内容に問題がなければ印刷しておきましょう。所得証明書類として確定申告書に添付して税務署に提出します。
5.【XMの確定申告ステップ3】国税庁のWebサイトにアクセスして申告書を作成する
次に、国税庁のウェブサイトにアクセスして確定申告書を作成します。順を追って一つずつ解説します。
5-1.申告書の作成を開始
まずは以下のサイトにアクセスします。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
作成開始ボタンを押します。
以下の画面が表示されます。
「e-Taxで提出 マイナンバーカード方式」、「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」、「印刷して提出」
の3つの選択肢があります。
「e-Taxで提出 マイナンバーカード方式」、「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択すれば確定申告を郵送する必要がなくなり、作業の全てをウェブで完結することができますが、いずれも条件があります。
①「e-Taxで提出 マイナンバーカード方式」
マイナンバーカードとICカードリーダーとカードリーダーを接続できるパソコンが必要です。ICカードリーダーの代わりにマイナンバーカード方式対応のスマートフォンを利用することもできます。
マイナンバーカード読取対応のスマートフォンをICカードリーダライターとして利用する方法については以下を参照ください。
国税庁:マイナンバーカード読取対応のスマートフォンをICカードリーダライタとして利用する方法
ただし残念ながら現時点ではスマートフォンはアンドロイドだけ、またパソコンはウィンドウズだけとなっているためiPhoneやMacを使っている場合は利用できません。
②「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」
税務署でe-Tax用のID・パスワードを発行してもらう必要がありますが、対面でしか発行してもらえないため、税務署に行かなくてはいけません。
③「印刷して提出」
確定申告書を印刷して、税務署に持ち込み、または郵送で提出します。パソコンとプリンタがあれば誰でもすぐに確定申告書を作成できますが、印刷した申告書を税務署に直接届けるか郵送する必要があります。
書類の作成方法は3つの方法に違いはありませんが、初めて確定申告を行う場合は事前の準備が必要ない「印刷して提出」がオススメです。以降についても「印刷して提出」を選択したケースを中心に解説を進めます。
選択ボタンを押すと、次にブラウザの環境確認のページが表示されます。
利用しているパソコンのOSやブラウザのバージョンに問題がないことを確認して「利用規約に同意して次へ」をクリックしてください。
次画面では確定申告を行いたい年度をクリックします。
クリックすると、その直下に以下のような選択肢が表示されます。ここでは所得税を選択します。
所得税を選び以下の画面が表示されたら作成開始ボタンをクリックします。
次に生年月日を入力します。「給与以外に申告する収入はありますか」という質問には「はい」を選択してください。
「はい」を選択すると、さらに質問が表示されます。
「給与所得以外に申告する収入はありますか」には「はい」、個人事業主で青色申告の申請をしている場合を除いて、そのほかの質問には「いいえ」を選択してください。
5-2.給与所得・事業所得や控除額を入力する
ここからは具体的な所得金額などを入力していきます。
まずは表示された「収入金額・所得金額の入力」の画面で所得金額を入力します。個人事業主の方は、事業所得欄の「入力する」を、給与所得者で源泉徴収票をお持ちの方は、給与所得欄の「入力する」をクリックしてください。
ここからは例として給与所得の入力方法について解説します。
「入力する」をクリックすると別画面で以下のような質問が表示されます。ご自身の源泉徴収票を確認し、いずれか適切な方の「入力する」ボタンをクリックしてください。
年末調整済みと年末調整済みでない源泉徴収票の見分け方は以下のページをご確認ください。
参照:国税庁|年末調整済みと年末調整済みでない源泉徴収票の見分け方
選択を終えると、以下のような画面が表示されます。画面の指示に従って源泉徴収票の情報を入力してください。源泉徴収票の書式はほとんど同じなので、入力に迷うことはまずありません。
全ての入力が終わったら、画面最下部にある「入力内容の確認」ボタンを押します。
5-3.雑所得項目にXMの損益を入力する
次に、XMの損益を入力します。XMの損益は雑所得になります。雑所得の「業務・その他」の欄の右にある「入力する」ボタンをクリックしてください。
次画面では下の手順に従って入力を行なってください。
- A :種目には「その他」を選択し、その下に「証拠金取引」と入力してください。
- B:「業務に該当しますか」の質問には「いいえ」を選択してください。
- C:「収入金額」には年間の利益を入力します。「2-2.【ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード」で確認した「Closed P/L」の金額を入力してください。
- D:XMの取引で生じた必要経費の総額を入力します。
- E:源泉徴収税額は記入する必要はありません。未納付の源泉徴収税額にチェックも必要ありません。
- F:所得の生ずる場所については、正確には「F20,1st Floor,Eden Plaza,Eden Island,Seychelles」となりますが、全角で28文字以内という制約があるため「Eden Island,Seychelles」と入力してください。
- G:こちらには「Tradexfin Limited.」と入力してください。
全てを入力し終えたら、画面右下の「入力内容の確認」をクリックします。次画面で入力内容を確認し、問題がなければ次に進んでください。
「収入金額・所得金額の入力」の画面の内容に問題がないことを確認したら右下に表示されている「入力終了(次へ)」のボタンを押して、所得控除の入力画面へ進みます。
5-4.所得控除を入力し納付金額を確認する
「所得控除の入力」画面が表示されたら、各種所得控除を入力します。例えば生命保険などの控除がある場合は「生命保険料控除」の右にある「入力する」ボタンを押して金額や会社名を入力します。これも指示に従って入力すれば迷うことはありません。
また、源泉徴収票に入力されている所得控除などはすでに入力されているため、改めて入力する必要はありません。
次に表示される「税額控除・その他の項目の入力」は住宅ローン控除などがある場合、入力が必要になりますが、なければ入力せずに右下に表示されている「入力終了(次へ)」のボタンを押してください。
すると次画面で以下のように、必要な納税金額が表示されます。
税額を確認したら、右下に表示されている「入力終了(次へ)」のボタンを押して次へ進んでください。
5-5.住民税等を入力する
次に住民税に関する情報を入力します。以下の画面が表示されたら画面中央の「住民税・事業税に関する事項」をクリックしてください。
次画面では、基本的にページの指示に従って入力すれば問題ありませんが、一点、注意が必要です。
一つ目の入力項目に、下に示す「住民税の徴収方法の選択」の欄に「特別納付」と「自分で納付」の2つの項目があります。
「特別納付」とは給与から天引きで住民税を支払う方法、「自分で納付」とは文字通り自分で住民税を支払う方法のことです。
「特別納付」の場合、自分で支払う手間は無くなりますが、住民税額が会社に知らされることになるため、給与以外の収入があることが会社に知られてしまうことになります。
会社に給与以外の収入があることを知られたくない場合は、「自分で納付」を選択してください。
5-6.納付方法の選択し確定申告書類の作成を完了する
続いて税金の納付方法の解説画面が表示されます
納税方法については以下の5つの方法があります。
・振替納税
指定した預貯金口座からの引落しにより納付する方法です。初めて振込納税を利用する方は「振替依頼書を作成する」ボタンを押して振替依頼書の作成を行ってください。作成した振替依頼書は、預貯金口座に使用している印鑑を押して確定申告書と一緒に税務署に提出するか、金融機関へ提出します。
・コンビニQR納付
確定申告書と一緒に、納付用QRコードを出力し利用可能なコンビニエンスストアで納付する方法です。
コンビニQR納付を利用する場合は、ここで「納付用QRコードを作成するにチェックを入れてください。
・電子納税
e-Taxを利用してダイレクト納付又はインターネットバンキング等から納付する方法です。
・クレジットカード納付
「国税クレジットカードお支払サイト」(外部サイト)上での手続により、納付受託者へ国税の納付を委託する方法です。
・窓口納付
金融機関か税務署の窓口で納付する方法です。納付書は全国の税務署の窓口で受け取ります。
電子納税、クレジットカード納付、窓口納付を選択する場合は、ここで特別な入力をする必要はありません。
同じ画面をスクロールすると下に住所など基本情報を入力する画面が表示されるので、ここで必要情報を入力してください。郵便番号を入力すると、納税する税務署も自動で表示されます。
次画面でマイナンバーを入力したら指示に従って確定申告書を印刷してください。以上で確定申告書の作成は終了です。
6.【XMの確定申告ステップ4】税務署に申告書を提出
次に作成した確定申告書類を税務署に提出します。税務署に提出する方法は以下の3つの方法があります
s-taxの場合はデータ添付となりますが、いずれの提出方法も準備する書類はほぼ同じです。それぞれ解説していきます。
6-1.郵送・または直接税務署に提出する場合
印刷した確定申告書に押印したうえ、確定申告書の2枚目の「添付書類台紙」にマイナンバーカードのコピー、入力した源泉徴収票、生命保険の控除証明書などを貼り付け、書類一式を所轄税務署へ郵送、または直接持ち込んで提出してください。
6-2.e-taxを利用して提出する場合
「4.【ステップ3】国税庁のWebサイトにアクセスして申告書を作成する」の①でe-taxでの申告を選んだ場合、申告書類を印刷して郵送する必要はありません。
申告書類を作成した後、基本的に画面の指示に従ってデータを送信すれば、確定申告を完了することができます。
7.【XMの確定申告ステップ5】税金を納付する
最後に税金を納付します。税金の納付は以下の5つの方法があります。いずれかの方法を選んで納税を行います。
納付方法 | 納付詳細 |
---|---|
①振替納税 | 預貯金の口座から引き落としで納税する方法です。確定申告書作成時に、印刷した振替依頼書に預貯金口座に使用している印鑑を押して確定申告書と一緒に税務署に提出するか、金融機関へ提出します。 |
②コンビニQR納付 | QRコードを利用しコンビニエンスストアで納付する方法です。確定申告書作成時にQRコード決済を選択した場合、確定申告書の中に、決済用QRコードも一緒に表示されています。これを支払い可能なコンビニに持ち込んで支払います |
③電子納税 | e-Taxを利用してインターネットバンキング等から納付する方法です。以下のページから納付の手続きを行うことができます。 参照:国税電子申告・納税システム(e-Tax)|電子納税 |
④クレジットカード納付 | 「国税クレジットカードお支払サイト」からクレジットカードを利用して納付します。visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDが利用可能です。 参照:国税クレジットカードお支払サイト |
⑤窓口納付 | 税務署の窓口で納付する方法です。納付書も全国の税務署の窓口に用意されています。 |
8.XMの確定申告で注意するべき5つのポイント
XMの確定申告では、以下の5つのポイントに注意する必要があります。
8-1.XMのボーナスは所得に含まれない
XMでは、口座開設時や入金時にポーナボーナスが付与されますが、このボーナスについては申告する必要はありません。
基本的にボーナスは取引には利用できますが、出金することはできないため所得としては扱われません。クレジットカードやスマートフォン決済のポイントなどが所得に含まれないのと同じです。
8-2.XMで複数口座を持っている場合は、まとめて確定申告する
XMに複数の口座を持っている場合は、利益を合算して申告する必要があります。
取引履歴については別々にダウンロードすることになります。口座ごとに「4.【ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード4.【ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード」の手順に従ってMT4/5から、それぞれの取引履歴をダウンロードし、ファイルの右下に表示されている「Closed P/L」の金額を合算して利益を算出してください。
8-3.XMの口座の基本通貨が円ではない場合は日本円に換算する必要がある
基本通貨が円でない場合は、取引の利益を円に換算して申告する必要があります。ここで問題になるのが損益は取引を行った日の為替レートで換算する必要があるという点です。
過去のレートについては銀行やレートを紹介するサイトなどを確認すれば、遡って調べることができます。
8-4.XMの損失は繰り越しができない
国内FXの取引など、分離課税で申告ができるケースでは、損失を3年間繰り越すことができますが、海外FXであるXMの場合、総合課税での確定申告となるため損失の繰り越しはできません。
このため利益のない(損失がある)場合、確定申告をする必要はありません。
8-5.海外からの送金は税務署に把握されている
XMは事務所が海外にあり、税務署や国税庁が利益やお金の流れを把握するのは難しいのではないかと思う方もいるかもしれませんが、結論から言えば海外FXであっても脱税は必ずバレます。
海外FXのトレードが把握されないといっても、クレジットカードの入出金、国内銀行口座からの証拠金の送金や利益の入金などのお金の流れは把握する事ができます。
これらが把握できれば、脱税は簡単にバレてしまいます。税金の申告に不正は通用しないという点をしっかりと認識しておきましょう。
9.税金の計算方法
税金額は確定申告書を作成すれば自動で算出されますが、その計算方法についても解説しておきましょう。
XMの利益は雑所得として課税所得として合算され、この金額に対して所得税がかかることになります。そして所得税は金額の大きさに合わせて税率が変わる「累進課税」が採用されています。
所得金額ごとの所得税の税率と控除額は、次の表の通りです。
所得金額の合計 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
例えば給与所得が600万円で、XMの利益が100万円あった場合
600万円 + 100万円 =総所得額 700万円
この場合の課税所得は
総所得 700 万円 - 控除額 63万6千円 = 課税所得 663万7千円
所得税率は23%になるため、
課税所得 663万7千円 × 所得税率23% =152万6,510円
この金額が納付すべき所得税額となります。これが例えば給与所得+海外FXの利益が1,000万円を超える場合、税率は33%に跳ね上がります。
総所得 1,000万円 - 控除額 153万6千円 = 課税所得 846万4千円
課税所得 8,464,000 × 33% = 279万3,120円
このように累進課税の場合、課税所得が高ければ高いほど税率と税額はそれに応じる形で高くなることを覚えておきましょう。
さらに翌年の住民税もこの所得金額によって決定され流ことを忘れてはいけません。XMの利益が上がれば所得税と同時に住民税も上がるということも忘れてはいけません。
もちろん経費の計上などによって課税所得を下げれば税金の金額を下げることもできます。次章では税金を下げる方法について、詳しく解説していきます。
10.XMの税金を節税する方法
総合課税が適用されるXMの利益は、累進課税によって税率が上がるというデメリットがありますが、利用できる節税の対策もあります。
以下の3つの節税の方法について解説します。
では一つずつ見ていきましょう。
10-1.必要経費を計上して所得を下げる
必要経費の計上は誰でも行える節税の方法です。もちろん申告できる経費は海外FXの必要経費として認められるものだけですが、
- 海外FX関連の書籍の購入費
- 海外FXのセミナーや勉強会の参加費(会場までの交通費を含む)
- パソコンや携帯電話、周辺機器などの料金
- 椅子や机などの購入資金
- プロバイダー料金
- 携帯電話料金など通信費
など、思った以上に幅広く認められています。1年分の領収書の総額を確定申告書に書き込めば、自動的に課税所得から差し引かれ、自動的に税金が減額されます。
領収書などの書類は確定申告で提出する必要はありませんが5年間は保管する義務があるため、廃棄処分などは決してしないようにしてください。
10-2.控除を申請する
控除の申請も税金を減額するための方法の一つです。社会保険料や生命保険料の控除は一般的ですが、そのほかにも以下のような控除を利用することができます。
①住宅ローン控除
10年以上の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に受けることができる控除です。年末のローン残高の1%に当たる金額が所得税から控除されます。
②扶養控除
両親などへの仕送りを行なっている場合、扶養控除として申告することができます。一緒に住んでいる人の場合、その人の所得が38万円以下、生計が別の場合はその人の給与所得103万円以下の場合、控除が認められます。
③iDeCo(個人型確定拠出年金)
毎月の積立金が控除の対象になります。
④ふるさと納税
寄付額から2,000円をさし引いた金額が所得税から減額されます。
10-3.ゼロ口座の取引手数料を経費として計上する
XMのゼロ口座は、スプレッド幅がほとんどない代わりに、10万通貨あたり往復で10ドルほどの取引の手数料が発生します。そしてこの手数料も経費として計上することができます。
取引量の多い人では年間数万円になる方も珍しくないため、ゼロ口座を利用している方は忘れずに経費として計上しましょう。
まとめ
今回はXMの利益を確定申告で申告する方法についてお伝えしました。
確定申告は以下の5つのステップで誰でも簡単に終えることができます。
- 【ステップ1】必要な書類を準備する
- 【ステップ2】1年分の取引履歴をダウンロード
- 【ステップ3】国税庁のWebサイトにアクセスして申告書を作成する
- 【ステップ4】税務署に申告書を提出
- 【ステップ5】税金を納付する
また、XMの利益を申告する際に注意するべき5つのポイントについても解説しました。
- XMのボーナスは所得に含まれない
- XMで複数口座を持っている場合は、まとめて確定申告する
- XMの口座の基本通貨が円ではない場合は日本円に換算する必要がある
- XMの損失は繰り越しができない
- 海外からの送金は税務署に把握されている
XMの利益にかかる税金は累進課税のため、金額の大きさに従って税率が上がりますが、経費をしっかり計上すれば、税金の金額を抑えることもできます。
この記事があなたのXMの利益を確定申告するための一助となれば幸いです。
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